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はなびら

残された時間の中でおもうこと


by asanagi62

戦後を生きて、(2)裸の王様

アンデルセンの童話に裸の王様がある。
洋服好きの王様が、この洋服はバカには見えないと騙されて、裸で街を歩いてしまい大恥をかく話である。

この話、よく読んでみるといろんな教訓が隠されている。
王様は我がままで自分の思うようにしたい。
しかしバカだとは思われたくない。
家来も王様に忠実でありたい。
しかし、自分が馬鹿だと思われたくない。
結局本当の事から離れてしまって、王様は恥をかくことになってしまった。

このことは今の世でも大いにあることである。
こんなに物価が高くて、年金が下がって、暮らし向きはだんだんおかしくなっているのに、政府の示す統計はいいことばかり。
取り巻きは本当に正しいことを報告しているのだろうか疑ってしまう。

先日、原発禁止運動をしている元総理。
「総理時代自分は安全、安全といって原発のことを騙されていた。」と反省し、
郵政民営化より、本気で、再稼働反対運動に取組まれているらしい。
取り巻きが正しいことを報告してなかったことが悔やまれるのだと。

asanagiは戦後の近衛総理を思い出していた。
上奏文を書いて、天皇に上程すると、日本の戦地が厳しいことに驚いていたらしい。
それまで、取り巻きは戦地の実情をありのままに報告しがたくて、もう敗戦宣言した方がいいことは言えなかったらしい。

上奏文では、戦争の厳しさを報告し、敗戦後は日本共和国を作ることを密かに画策。
共産主義になってしまうより、国体護持のために、戦争を止める事が出来なかったらしい。

asanagiはあの時、なぜ、続けることになったのか、なぜ取り巻きは戦時下の厳しさや配線宣言を上程しなかったのかずっと疑問であったが日本共和国が原因だったとは。
その結果、各地に大空爆が起き、沖縄では本土決戦、広島長崎に原爆。
日本国土が焦土化し、多くの国民が戦死することになってしまった。

取り巻きが本当のことが言えない。
そのためトップは本当のことを知らない。

時の判断や上奏が真実に近くなくて、結局は国民等、弱い者にしわ寄せがいってしまう。
もし、あの時の判断が違っていたら、どんな結末になっていただろうか。

それは分からないが、この後、日本全体に耐え難い苦脳の日々がやって来るようである。
近衛内閣の上奏文は2月14日。

激しくなる戦火を潜り抜け、このころasanagiの父親は仕事を止め、郷里に疎開することを決心。
記憶にとどまっていることは何もないが、空襲警報が鳴る度、柳行李に幼いasangiを入れ、防空壕まで逃げて行ったらしい。
神戸が焼け落ちる赤い火を二階の窓から見たことも後になって母たちが話していたのを覚えている。  
 つづく。

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by asanagi62 | 2016-02-19 17:07 | 戦後を生きて